インターバル(音程)
インターバルとは、2つの音の距離や関係性を示す音楽理論の概念です。
インターバルは、音楽理論を学び始めたばかりの初心者にとっては、あまり興味深く感じられないかもしれません。しかし、スケールやコードの構造を理解するうえで非常に重要な基礎となります。 最初は少し難しく感じるかもしれませんが、スケールやコードを学びながら少しずつ慣れていけば大丈夫です。
1. インターバルとは?
インターバルとは、2つの音の間の距離を表すものです。 低い音から高い音までを数えて、その間隔を表現します。 例えば、CからDは2度、CからEは3度のインターバルです。このように、音と音の距離を「○度」という形で数えます。
2つの音を選んでください!
2つの音を選んでください!
2. インターバルの種類(クオリティ)
インターバルは単に「○度」という数字だけでは不十分です。 たとえば、CからEとCからE♭はどちらも「3度」ですが、実際の音の間隔は異なります。
3度
3度
それぞれの違いを見てみましょう:
CからEは半音で数えると4半音分離れています。
(C → C# → D → D# → E)
CからE♭は3半音分です。
(C → C# → D → E♭(=D#))
どちらも「3度」ではありますが、距離が異なるため、より正確に表現するために「完全(Perfect)」「長(Major)」「短(Minor)」などのクオリティを付け加えます。
長 3度
短 3度
これで、インターバルをより正確に表現できるようになります!
3. インターバルのクオリティの種類
インターバルには次の5つの種類のクオリティがあります: 「完全(Perfect)」「長(Major)」「短(Minor)」「増(Augmented)」「減(Diminished)」
- 完全(Perfect):1度、4度、5度、8度に使用。最も安定した響きを持ちます。
- 長(Major):2度、3度、6度、7度に使用。明るくはっきりとした響きです。
- 短(Minor):同じく2度、3度、6度、7度に使用されます。長音程よりも半音狭く、やや暗い響きになります。
- 増(Augmented):完全または長音程より半音広い音程です。
- 減(Diminished):完全または短音程より半音狭い音程です。
以下は、インターバルの種類を簡単にまとめた図です:

2つの音を選んでください!
2つの音を選んで、音程を確認してみましょう!
Good to know
重増音程・重減音程
- 重増音程:増音程よりさらに半音広い音程です。例:D♭ から G#(重増4度)
- 重減音程:減音程よりさらに半音狭い音程です。例:C から G♭♭(重減5度)
4. インターバルの数え方
インターバルの名前は、「音の名前」と「半音の数」の両方で決まります。
例えば、CからEは3度で4半音分なので、「長3度」となります。
以下は、各インターバルとそれに対応する半音の数を示した表です。
音程名 | 半音数 | 例(Cを基準) |
---|---|---|
完全1度 (Perfect Unison) | 0 | C → C |
短2度 (Minor 2nd) | 1 | C → D♭ |
長2度 (Major 2nd) | 2 | C → D |
短3度 (Minor 3rd) | 3 | C → E♭ |
長3度 (Major 3rd) | 4 | C → E |
完全4度 (Perfect 4th) | 5 | C → F |
完全5度 (Perfect 5th) | 7 | C → G |
短6度 (Minor 6th) | 8 | C → A♭ |
長6度 (Major 6th) | 9 | C → A |
短7度 (Minor 7th) | 10 | C → B♭ |
長7度 (Major 7th) | 11 | C → B |
完全8度 (Perfect Octave) | 12 | C → C(1オクターブ上) |
同じ半音数でも、音の綴りによってインターバルの名前が変わることがあります。 例:CからE♭とCからD♯はどちらも3半音ですが、前者は短3度、後者は増2度と呼ばれます。
5. まとめ
これで、インターバルの基本的な知識を学びました! 下のキーボードで2つの音を選んで、インターバルを確認してみましょう。
2つの音を選んでください!
最初の音:
次の音:
Good to know
完全音程と長・短音程の違い
完全音程 は、もっとも基本的で安定した音程で、単純な周波数比を持っています。
例:1度(1:1)、8度(2:1)、4度(4:3)、5度(3:2)
これらの比率は自然に調和し、非常に安定した響きに聞こえます。
完全音程は転回しても完全のままです。 たとえば、C4からF4は完全4度、F4からC5は完全5度です。
このような特徴から、音楽理論では「完全」とされ、中世の音楽では神聖な響きとされていました。
長・短音程 は、完全音程よりも複雑な比率を持ち、やや不安定に感じられる場合があります。
例:長3度(5:4)、短3度(6:5)
長音程を半音下げると短音程になり、逆に短音程を半音上げると長音程になります。 例:A3からC4は短3度、A3からC♯4は長3度です。
転回すると、長音程は短音程に、短音程は長音程になります。 例:C3からE3は長3度ですが、E3からC4に転回すると短6度になります。
長・短音程は、転回や半音変化によって相互に変化でき、音楽表現において豊かな感情や雰囲気を生み出します。